大人の島留学で来島され、隠岐桜風舎で働かれている、森さんにお話を伺いました。
私の思い出の物はカシオの腕時計です。今使っているのは4〜5代目くらいで、最初は大学受験のときに母が買ってくれたものでした。軽くて見やすくて、防水もあって、傷だらけになっても壊れないところがちょうどいいんです。何回も同じ物を買い替えて使っています。
何度も買い替えていると仰っていましたが、どのようなタイミングで買い替えられているのですか?
この時計は今まで一度も壊れたことはなくて、いつもなくすんです。受験が終わった後、大学でうまくいかなかった時期、休学中など、振り返るといつも人生の区切りのタイミングでした。何かが終わって、次に移る前に代替わりする時計なんだなあ、と感じています。また、私はもともと人に話しかけるのが得意な方ではありません。でもこの時計は同じのをつけている人が結構いて、それが自然に話すきっかけになることもありました。
そんなふうには、今お話を聞いていると全く感じないです。
本当ですか。ありがとうございます。地元の神奈川にいた頃は、家族や友達など、同じような価値観の人たちと過ごすことが多く、コミュニケーションに苦手意識がありました。「井の中の蛙」みたいな状態がこのまま続くのが少し怖くて、海士町に来ました。
今の海士町での暮らしの中で、その感覚はどんなふうに変わってきましたか?
海士町では、日常の中で自然に会話が生まれます。天気やご飯のこと、ちょっとした世間話など、何気ないやり取りの中に発見があって、単純に人と話すのって楽しいな、と思うようになりました。

